ある裁判官との思い出
証拠保全の現場に出ていると同じ裁判官、書記官が担当することがたまにあります。
前の事件は別件であり、詳細をその場で話すことはできないため、そういうときはだいたい「あぁ、先日の…」で私と裁判官、お互い挨拶してその場は終わり、ということもあるのですが、裁判官の数に比べて事件が多いと同じ裁判体で何度も同じ現場に入ったりすることもあります。
その中で、2,3年ほど見知った間柄になった裁判官がいました。多いと週に2度、その裁判官と証拠保全の現場を同じくしたこともありました。そこまで頻繁に会うと私がどのような立場で現場に入っているか、察してくれるので非常にありがたかった思い出があります。例えば、現場に入って撮影するものがありそうなことがあるとわかると、撮影スペースの打診を相手方にしてくれたり、こちらに先に「撮影の用意を始めてください」と指示を出してくれたり、色々と助けられたものです。
その裁判官もある春からめっきり会わなくなりました。噂では3月で異動になったとのこと。職業柄、異動の多い職場で、また個人的に連絡をとるような間柄でもないためその裁判官とはそれっきりですが、少し寂しい思いがしました。